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磁器上絵付けの伝統がないことは、あらゆるものを吸収する柔軟性を獲得する背景ともなった。それが名古屋の絵付けの特異性であり、量的パワーを生み出す源泉のひとつだった。これは名古屋九谷と呼ばれる碗皿。
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日本の盛絵の伝統は古いが、名古屋の盛絵はエッチン(イッチン)という技法を使って、より立体的で迫力ある絵柄を表現した。これは戦前につくられた碗皿。
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籠で周りを巻かれた製品には、戦前にはかなり人気があった。のちには、素地の歪んだものを優先的に使った。この製品は戦前のもので名古屋の絵付けに度々登場する羅漢と唐子が描かれている。
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これは最もユニークな絵柄のひとつ「百老」。このデザインの元はどこか定かではないが、一つひとつの老人の顔が微妙に異なっており何とも愛らしい絵柄だ。
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「梅庭」と呼ばれる絵柄。シンプルであっさりした印象がある。昭和初期から、三十年代まで主にヨーロッパへ向けて出荷された。
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黒い地に金の絵付けが施された「ダマシン」と呼ばれる製品。この製品の地の黒は、吹きで施されているが、昔は漆蒔きという技法を使った。昭和に入ってから考案されたデザイン。
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この紅葉の絵柄は、すでに明治時代に考案されていたらしいが、今見ても古さを感じさせないデザインだ。紅葉と桜は、名古屋の絵付けに、もっともよく使われたモチーフだった。
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名古屋の絵付けには、二つの側面がある。一つはこれまで紹介した伝統的な絵柄、もう一つが西洋画を模倣することから始まったもので、そこから洋食器という分野が誕生する。この製品は銅版印刷した上に金を施し、立体感を出している。
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