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展示案内



  展示作品

名古屋陶磁器会館所蔵作品の一部をご紹介します。

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西洋から日本という視点から考案された、竹・孔雀・富士山が描かれている九谷風のカップ&ソーサー。主にヨーロッパに輸出されたもの。カップの中にも絵が描かれているが、これは筆を長く持って描かなくてはならないため、相当高度な技術が必要となる。

 

 


 

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大きなバラが描かれているカップ&ソーサー。こういった大胆なデザインは最近はあまり見かけなくなった。とくにカップの内側全面に描くことはほとんどない。というのも、絵の具に含まれている鉛の溶出が厳しくチェックされるようになったためだ。(MADE IN OCCUPIED JAPAN 製品)

 

 

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ソーサーとカップの側面に施されている黒色は、「漆蒔き」と呼ばれる技法が使われている。広い面積を1色の絵の具で均一に塗るときに使われる技法で、漆を塗った上から絵の具の粉を蒔く。「吹き」や「転写」よりもしっとりとして味わいのある表現が特徴。(MADE IN OCCUPIED JAPAN 製品)

 

 

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花鳥を薄絵で描いている素地が薄くて品のいい製品。線をささっと軽やかに描いて、網を使って上からぼかしをかけてある。ソーサーにはカップを乗せるところに凹凸があって、カップがずれないようになっている。こうした形状は非常に珍しい。こうした製品を「釜パン」と呼んでいたようだ。戦後の進駐軍のPX用の製品。

 

 

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飾り用というかコレクション用のミニチュアカップ&ソーサー。昔はこういうものが結構輸出されていた。小さいだけに、普通の大きさのものよりも描くには技術を要する。(MADE IN OCCUPIED JAPAN 製品)

 

 

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カップの底に芸者の透かし入りになっているカップ&ソーサー。主にヨーロッパへ輸出された。当時、ヨーロッパの人たちは、このすかしを覗いては東洋へのイメージをかき立てていたのだろう。いったい、それはどんなイメージだったのか。

 

 

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めずらしいマッチ入れ。主に中南米へ輸出された。上げ底になっていて、マッチ棒が取り出しやすくなっている。しかも、マッチ箱を中に入れると、マッチを擦る部分が側面に表れるようになっている。おそらく、こういうものをつくってほしいというバイヤーの要望にこたえて、つくられたものだろう。